防災設備スプリンクラー消火設備のしくみと維持管理の留意点
スプリンクラー消火設備(以下、スプリンクラーと記載します)は消火設備の中でも、自動的に火災による熱を感知し、スプリンクラーヘッドと呼ばれる、天井等に設けた放水器具から消火水を放水することができる優れものです。このスプリンクラーは、自動的に火災を消火できることから、老人ホーム、病院、ホテル、百貨店など、万一火災が発生した場合に多くの犠牲者が想定される建物には消防法令で義務づけられています。
火災があって、何名かの方が亡くなったようなニュースがワイドショーで放送されますと、司会の方が、よく言われることとして「スプリンクラーが付いていれば、こんなことにはならなかったのでは」という発言ですね。間違いではありません。しかし、スプリンクラーは容易に設置できるような簡単なものではありません。何故なら、スプリンクラーを設置する場合には、スプリンクラーヘッドは、全て天井裏で水道管のような配管で張り巡らされた配管から、分岐して天井まで下に伸ばして、その先端に設置します。スプリンクラーヘッドから放水できるようにするためには、このようにして、天井裏等の中には、すべてのスプリンクラーヘッドから放水が可能なように、加圧された水で満たされた配管が網の目のように配列されているからです。当然値段も高いです。
もう10年前になりますが、筆者が、スプリンクラーの設置を専門にしている方から聞いた話によりますと、1000平方メートルで1000万円だそうでした。1平方メートルで1万円ですから、確かに安くはないですね。
スプリンクラーの構成について、以下、説明します。さきほど記載しました、スプリンクラーヘッドから消火水を放水するわけですから、屋内消火栓設備と同様に、水槽、ポンプ、呼水槽、モーター、制御盤、そして配管となります。屋内消火栓設備が人の手で操作するのに対して、スプリンクラーは自動的に放水するためのしくみが必要となります。
スプリンクラーヘッドが感知した場合には、その状態を感知してポンプを回さなければなりません。その方法は、スプリンクラーヘッドが感知して放水した場合には配管内の水が流れます、この流れを検知しましてモーターを回すための制御盤に信号を送る装置がついています、この装置が流水検知装置というものです。また、配管内に一定の圧力を保つための加圧タンクというタンクが配管に接続されています。
以上のような構成ですので、消火設備の中でもシステマテックな設備といえますね。ここで、スプリンクラーヘッドが何故火災の熱を感知し放水できるのかについて説明します。スプリンクラーヘッドは、霧状に円形に均一に放水できるような小さなノズルになっています。ノズルまでは加圧した水がきています。ノズルの先端には熱で溶けるヒューズのような部品がついていて、通常はこの部品により栓をした状態で放水しませんが、火災が発生すると、この金属が熱で溶けまして、ノズルから放水されるわけですね。
次に維持管理上の留意点について説明いたします。スプリンクラーヘッドを設けても、その近くまで品物が山積みされている場合や、設置したあとにパーテーションなどで間仕切りをしますと、その部分は放水の死角となりまして、折角とりつけたにも関わらず、消火水が届かないことになりますので、スプリンクラーヘッドのまわりには、放水の邪魔にならないようにすることが大切ですね。