ガス系消火設備のしくみと使用上の留意点

 

今回はガス系の消火設備のしくみと、使用上の留意点について説明したいと思います。ガス系消火設備は主なものが二酸化炭素消火設備です。この設備は窒息消火により消火するものです。

ここで、窒息消火という言葉が出てきましたが、火災の現象と消火の方法につきまして説明しておきます。そもそも火災とは化学で言う「酸化反応」の拡大した「燃焼」です。燃焼とは高速の発熱反応で光を伴う現象です。この燃焼が、人の意志によらずに、制御不能になってしまったのが火災と定義されています。人類が動物と違う大きな一面が火を使えるようになったこととされていますが、火も無くてはならないものですが、制御不能になりますと火災に至ってしまうわけですね。

火災の消火方法には、3通りあります。冷却消火、窒息消火、除去消火です。冷却消火はすぐにお分かりかと思いますが、水等で冷やして、温度を下げる方法です。屋内消火栓、スプリンクラーは冷却消火です。窒息消火とは、火災は酸化反応と説明しましたが、酸素を減らす、すなわち窒息させる方法です。除去消火は燃えている物自体を取り除くという方法です。一例としては、ガス器具からガスが漏れて火災になった場合には、ガスの元栓を止めて、ガスそのものをなくす方法ですね。前置きが長くなりましたが、以上が火災と消火方法の関係です。

ガス系消火設備は窒息消火の原理を利用した消火設備です。主な設備としましては、冒頭申し上げた、二酸化炭素消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、不活性ガス消火設備です。不活性ガス消火設備は聞きなれない言葉ですが、地球環境の観点から「フロンガス」の使用ができなくなりまして、ハロゲン化物と呼ばれる消火設備に用いる、ハロゲンガスもフロンガスに含まれるために、その使用が制限されまして、ハロンゲンガスの代替のガスとして使われるようになった物です。

ガス系消火設備の構成につきましては、名称は異なっていますが、ほぼ構造は同じですので、代表的な二酸化炭素消火設備について説明いたします。この消火設備は、二つの部分に分けて説明すると分かり易いと思います。二酸化炭素で消火する場所と二酸化炭素のボンベを設置してある場所です。以後、前者を防護区画、後者をボンベ室と呼称いたします。防護区画は二酸化炭素で充満されるわけですから、当然、ガス漏れがないように、しっかりとした区画がされています。人間が出入する出入り口は、厚い鋼製の扉で閉まってもガスが漏れない構造の扉になっています。防護区画内には、ガスの放射口、ガスの放射を知らせるスピーカー、そしてボンベ室からガスを通す鋼製の配管があります。防護区画の入り口付近には、ガスを放射させるための起動スイッチの入った赤いボックス、ガスが放射中であることを表示する、放出表示灯というものがあります。

ボンベ室には、消火用のガスボンベ、ボンベから防護区画までの鋼製の配管、万一誤って放出した場合に止める閉止弁などがあります。以上がガス系消火設備の構成になります。

使用方法と留意点について説明します。ガスを放射するためには、防護区画の近くにある、赤いボックス内の起動スイッチを押します。起動スイッチを押しますと、防護区画の中の人に退避するように、サイレン音と逃げる旨の音声が流れます。起動スイッチを押す前に、誰かいませんかと大声で確認しましょう。ガス系消火設備は窒息消火ですので効果はありますが、万一人が閉じ込められた場合のことも考えて、日頃よりその使い方、留意点を確認しておくことが大事ですね。